さらに精米歩合や醸造アルコールの有無などの違いによって、細かく8種類に分類されます。

特定名称酒の基準を満たさないお酒は「普通酒」に分類されます。

日本酒の原材料を見ると、「醸造アルコール」が入っているものと入っていないものの2種類があります。
この醸造アルコールとは主にサトウキビを原料とした植物由来のお酒です。非常に辛口で、これを添加することで日本酒の糖分や雑味を抑え、飲み口の軽いクリアな味わいの日本酒に仕上げることができます。
醸造アルコールが入っていない、「米、麹、水」のみで醸したお酒がいわゆる「純米酒」と呼ばれるお酒です。

日本酒のラベルにはそのお酒についての情報が掲載されています。
意味を知ると、お酒を選ぶ時の参考にもなります。

「米」「米こうじ」「醸造アルコール」など、原材料名が書かれています。

酒米を精米する時、どれだけ削ったかを表します。例えば精米歩合が60%であれば、元のお米から40％を削ったことを意味します。つまり精米歩合が低いほどたくさんお米を削って造ったお酒ということです。
一般的に精米歩合が高ければ米の風味が残るふくよかな味わい、低ければ雑味の少ない香り高いお酒になりやすいとされています。

アルコール度数を示します。酒税法により清酒は1％以上22％未満と定められていますが、日本酒の多くは16％前後です。

甘さや辛さの目安となる数値です。一般的にはマイナスになるほど甘口、プラスになるほど辛口とされていますが、糖分以外の成分、香りや口当たり、温度帯など、様々な要素が絡み合って味わいを造っているため、数値とは比例しない場合もあります。味わいの基準はひとそれぞれ。あくまでも目安として参考にしてください。

そのお酒に使用した米の種類を表記しています。山田錦、五百万石など酒造りに適した「酒造好適米（酒米）」を使用することが多く、コシヒカリなどの食用米（飯米）を使っているお酒もあります。使用するお米によって酒質も変わってきます。

日本酒に書かれているBYとは、そのお酒の酒造年度を示します。日本酒は7月1日を年始めとし、翌年6月30日までを1年として数えます。一般的には和暦表記で、そのあとにBYと書きます。
例えば平成29年7月1日〜平成30年6月30日に造られたお酒であれば「29BY」となり、令和元年7月1日〜令和2年6月30日に造られたお酒は「（令和）1BY」と表記します。

製造年月は出荷するために瓶詰めをした年月を表記しており、熟成酒などの場合はBYと製造年月が異なることもあります。
BYは表示が義務付けられているものではなく、書かれていない場合や違う書き方がされている場合もあります。

酒蔵の中に生息する乳酸菌を利用して造る方法。江戸時代に確立された伝統的な製法で、奥深い味わいとコクのある酒質が多い。

明治42年に考案された製造法。生酛で重労働とされていた「山おろし」の作業を廃止した製法で、キレがあり力強い酒質が特徴。

人工の乳酸を添加する方法。酒母づくりは生酛の半分ほどの日数で造ることができ、現在の日本酒の多くはこの方法で造られる。香りが立ちやすくさっぱりとした酒質になりやすい。