刻一刻と表情を変える日本百景の美しい湖
島根県北東部に位置する「宍道湖(しんじこ)」は約1万年前に形成されたといわれる湖で、東西約17km、南北約6km、周囲47kmと、国内で7番目の面積を誇ります。
出雲平野を流れる「斐伊川(ひいかわ)」を主な流入河川とし、東西南北の20数河川とつながっています。出雲の地に深く密接した湖で、季節や時間で様々な表情を見せる美しい景観は「日本百景」の一つに選ばれています。
西日本有数の水鳥の渡来地でもあり、240種以上の鳥類が生息するといわれています。中でも冬の宍道湖に最も多く渡来するカモ「キンクロハジロ」は2万羽近くにもなり、他にも「スズガモ」や「マガン」など、毎年4万羽以上の数を確認しています。
2005年には湿地の保全を目的とした国際湿地条約である『ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)』に登録されました。
滋味あふれる湖の幸
宍道湖は松江市を流れる大橋川から中海、境水道を介して日本海へとつながっています。そのため淡水に海水が入り混じった汽水湖となっており、淡水魚と海水魚が共存する魚種豊富な湖です。
国内最大級の漁獲量を誇るヤマトシジミをはじめ、スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、コイ、シラウオは、「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」と呼ばれ、島根県の名物郷土料理にもなっています。
※それぞれの頭文字を取ると「すもうあしこし」となり、宍道湖七珍を覚える言葉として便利です。
湖のほとりで、遊ぶ、観る、学ぶ
宍道湖岸周辺には楽しいレジャースポットが満載です。美しい湖を眺めながら、楽しい時間をお過ごしください。
宍道湖自然館ゴビウス
『もっと知ろう ふるさとの自然、親しもう 水辺の生きもの』をテーマに、国内で初めて汽水域を舞台にした体験学習型水族館。
島根県内の川や湖に生息する生き物を約180種類9000点あまり展示し、宍道湖・中海の様子を再現した全長18メートルのジオラマ水槽や、ダイビング気分が味わえるヘルメット水槽、ザリガニに触れられるタッチプールなど、大人から子どもまで楽しめる水族館です。生き物の生態や観察だけでなく、命の大切さも学べる人気スポットです。
宍道湖グリーンパーク
宍道湖西岸にある「宍道湖グリーンパーク」は、人と自然の共存を目指した自然型の公園としてつくられました。
斐伊川河口一帯を中心としたこの周辺はマガン、ヒシクイ、コハクチョウなどの集団越冬地で、絶好の野鳥観察ポイント。
宍道湖に面した位置には双眼鏡や望遠鏡が常備された野鳥観察舎があり、誰でも気軽にバードウォッチングを楽しむことができます。
観察舎周辺は湖岸堤も整備されており、園内には出雲地方に見られる樹木が約5500本植栽されています。毎月行われる自然観察会は、事前の電話予約で誰でも参加可能です。
湖遊館
山陰最大規模の本格的なスケートリンク。
10月上旬から5月頃までの期間、アイススケート、アイスホッケーなど氷上のスポーツが楽しめます。
オフシーズンにはショーやイベント、テニスやバレーボールといった多目的スペースとして利用されています。
小泉八雲も愛した宍道湖の夕景
宍道湖は移りゆく時とともに多彩な表情を魅せてくれます。
朝もやが棚引く中、しじみ漁の船が浮かぶ朝の宍道湖、青空が映る穏やかな湖面で水鳥が遊ぶ昼間の宍道湖、中でも落日とともに一面を赤く染める夕刻の宍道湖は「日本夕陽百選」にも選ばれ、空と湖がつくり出すその美しさは小泉八雲など多くの文人墨客をも魅了してきました。
嫁ヶ島が浮かぶ有名な宍道湖の夕景は湖の東側(松江市側)から観ることができ、神々のふるさと出雲の方角へと沈みゆく夕陽をお楽しみいただけます。
詳細
名称 | 宍道湖 |
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住所 | 出雲市園町周辺 |
交通アクセス | 山陰道松江西ランプよりR9経由宍道湖畔へ |