桜の名所
一の谷公園は、斐伊川の西、出雲平野を一望できる標高51mの丘陵地にあります。総面積およそ16.6ha、テニスコート、弓道場や児童の遊戯施設などがあります。
展望台からは出雲市の市街や島根半島の北山連山が眺望できます。
桜の名所として有名で、春にはソメイヨシノが約800本咲き誇ります。
なお、この丘陵には、平家丸城跡と呼ばれる城跡があります。名前から平家にまつわる城とも佐々木(塩冶)氏一族の今市正近の居城とも言われていますが、詳細は不明です。
原石鼎句碑
一枝の椿をみんとふるさとに
公園内には、出雲が生んだ俳人『原石鼎(はらせきてい)』の句碑があります。
自然石を磨きこんだ滑らかな表に優雅な筆致で刻まれたこの句は、原石鼎が昭和10年(1935)帰郷し、塩冶(えんや)町の実家で庭の椿を見て作ったものです。
石碑は、石鼎が眠る出雲市神門寺の東方約2kmにある一の谷の丘に、俳人たちの手により、昭和29年(1954)に建てられました。
『原石鼎』
明治19年(1886)6月1日、出雲市塩冶町の医者の三男として生まれる。名は鼎(かなえ)。東京日日、大阪毎日などの新聞紙上で俳句指導にあたり、「ホトトギス」同人として全国各地の句会の指導に多忙をきわめた。俳句雑誌「鹿火屋」を主宰し、俳壇に不動の地位を築いた。